環境問題の深刻化が叫ばれる中、ブラジルで開かれた環境サミットにも見られるように「地球規模で環境問題に取り組もう」という動きがやっと本格的に動き出しました。
ところが、古着、古繊維については、これまでとりたてた動きがありませんでした。
これは「新聞やビンに比べると量的に少ない」ということと、「処理するのが比較的簡単だった」という2つの理由から、ゴミを処理する行政側も、そして消費者も大きな問題とはしてきませんでした。
その結果、今では、古着・古繊維の多くがリサイクルされずに一度利用しただけでゴミになる割合が高くなっています。
しかし、古着はほぼ100%リサイクル可能なのです。そのまま着られるものは東南アジアへ、使い込んだ繊維はウエスに、そしてそれ以外のものは再度繊維に戻して再生されます。
たとえ古くても、破れていても、それぞれ使い道があるのです。
ところが、意外とこういうことが知られていません。年配の方には「布は財産、捨てるのはもったいない」という感覚がまだ生きていますが、若い人の多くは、古着がリサイクルできることを知らず、当然のように燃えるゴミとして捨てているようです。
また、現在は古着のリサイクルルートがないために、リサイクルをしたくてもどうしていいかわからず、押入れには着ない衣類や古い繊維が溜まっている、とも聞きます。
そこで、私たちは市民の手で古着を回収し、リサイクルのルートにのせるしくみをつろう、と考えました。
これがファイバーリサイクルネットワークです。
古着だけのリサイクルの取り組みは全国にも類がありません。しかし、神奈川にはこれまで多くのことに取り組んできた市民グループと回収業者が数多く存在しています。
神奈川でこそ、古着を介在して、普段は色々な活動を行っている団体が手を取り合い、実質的なネットワークを組める可能性は高いのではないでしょうか。
私たちの活動を通じて、「古着はリサイクルができる」ということを多くの人に知らせること、少しでも古着がゴミとして捨てられることがなくなること、そして古着を通じて第三世界の人達と手がくめること、こんなことを願って、私たちはファイバーリサイクルネットワークをつくります。
2023年春のリサイクルきものフェア
会場の風景
会場風景